2025年3月7日 By pluse 【ヒビひとつで抜歯に!?「破折」で歯を失わないための予防と対策】 こんにちは。院長の吉満です。 3月14日はホワイトデーですが、お菓子の種類ごとに意味があるのをご存じですか? たとえば、キャンディーなら「あなたが好き」という意味ですが、中には、せんべいのように「愛が割れる」というネガティブなイメージのお菓子もあります。 愛情にヒビが入ったら大変ですが、実は歯のヒビも同じように一大事です。というのも、抜歯の原因の第3位は「歯のヒビ割れ」によるものなのです。 歯の破折(はせつ)って何? どんな症状? 外部からの強い衝撃で歯が「割れる」「ヒビが入る」、あるいは「完全に折れてしまう」ことを破折といいます。 これらは歯の見える部分で起こることもあれば、歯ぐきの中で起こって気づかず、放置されてしまうケースもあります。 「噛んだときに歯が痛い」「歯ぐきが腫れている」などの症状が気になると、むし歯や歯周病をイメージされる方も多いでしょう。 実は、これらの症状は破折のサインである可能性があります。 以下のような症状に心当たりがある方は、歯科医院で一度詳しく診てもらいましょう。 ・噛んだときに「パキッ」という音がした・噛むと特定の歯だけが痛む・歯ぐきが腫れている・グラグラする歯がある 要注意!「神経をとった歯」は破折のリスク大 歯の破折は、過去の歯科治療で神経をとった歯に圧倒的に多いのが特徴です。 これには主に2つの理由があります。 1つは、治療によって歯の強度が落ちてしまうことです。 神経をとる治療では歯の内側を削ることにより、天然の歯の部分が薄くなってしまうため治療前よりも強度が低下します。 もう1つは、神経がなくなることで痛みを感じにくくなってしまうためです。 これが原因で無意識に強く噛んでしまうことも、破折リスクを高める要因となります。 以上のような理由で、歯科治療で神経をとった歯は以後、歯が割れたり折れたりしやすい傾向があります。 治療後は次の点に気をつけながら、歯の健康を維持していきましょう。 破折予防のポイント・硬いもの(ナッツ類・せんべいなど)を噛むときは十分に注意する・歯ぎしりのある人は、必要に応じて専用のマウスピース(ナイトガード)を使用する・治療後も定期的に歯科医院で歯の状態をチェックしてもらう・少しでも違和感を覚えたら、早めに受診する 大切な歯を守るために!定期チェックのススメ 神経のない歯は破折による抜歯リスクが約10倍も高くなることがわかっています。 つまり、破折で歯を失わないためには、神経を極力とらずに残すことが最善の方法です。 そのためにできることは「むし歯にならないこと」と「むし歯になっても早く見つけて治療すること」。 その両方を実現できる定期チェックで、大切な歯を守っていきましょう。