2024年11月5日 By pluse 【入院期間が短縮?! 手術前の歯科受診の重要性】 こんにちは。松尾です。11月には酉の市があります。 酉の市は毎年11月の酉の日に開催される、開運招福や商売繁盛を願うお祭りです。 熊手や招き猫などの縁起物を購入し、1年の無事の報告と翌年の福を願います。 このように、何事も事前準備が大切ですが、実は、手術の前に歯科受診すると入院期間を短縮できる場合があります。 今回は、術前の歯科受診の重要性について解説していきます。 手術前に歯科受診が必要な理由とは? 大事な手術を控え、歯科の受診を勧められても「歯医者さん? 手術と何の関係が?」と不思議に思われる方もいらっしゃるでしょう。 不要とさえ思われがちですが、術前の歯科受診は、これから受ける手術の成功と術後の回復に大きく関わっていきます。 少し面倒に感じてしまいますが、術前に歯科医院の口腔ケアを怠ってしまうと、次のようなトラブルの原因になるため注意が必要です。 歯の脱落全身麻酔を伴う手術では、気道を確保するために挿管チューブという管を口に入れます。 その際、ぐらついている歯があると、チューブを入れる際に歯が脱落してしまい、食道や気管内に入り込んでしまうおそれがあります。 術後の肺炎お口の中には多くの細菌がいます。術中や術後にこれらの細菌が肺に運ばれてしまうと、肺炎のリスクが高まります。 とくに、高齢者や持病のある方の場合、術後の肺炎は生命に関わるため注意が必要です。 手術部位の感染お口の中の細菌は、血流を介して手術部位に感染してしまうことがあります。 そうすると、傷の治りが遅くなってしまうほか、最悪の場合、再手術が必要になることもあります。 入院期間の延長肺炎や手術部位の感染など、術後に合併症が起こると入院期間が長引いてしまう可能性があります。 データでみる、手術前の口腔ケアの効果 術前の口腔ケアの効果は、科学的なデータによっても裏付けされています。 ある研究では、術前に歯科医院で口腔ケアを受けた人は、受けなかった人と比べて術後肺炎の発生率にくわえ、30日以内の死亡率も低下したという結果がでています。 また、その他の研究結果をまとめた報告でも、口腔ケアを行なった人は手術後の合併症が4分の1まで減少したほか、入院期間も短縮されることが明らかになりました。 これらの結果を受け、厚生労働省は2012年から周術期(手術決定から術後回復期までの一連の期間)の口腔ケアを保険適用とし、その対象を少しずつ増やしています。 手術が決まったら歯科受診をお忘れなく! 以上のように、術前の口腔ケアは手術の成功を左右するだけでなく、術後の合併症を防ぎ、早期回復にもつながります。 現在、とくにトラブルを抱えていなくても、専門家のチェックを受けることが大切です。 歯科医院では皆さまが安心して手術に臨めるよう、全力でサポートしてまいります。 手術前の準備に、ぜひ私たちと一緒にお口のケアに取り組んでいきましょう。